11月6日、神奈川・横浜アリーナでのライブを喉の不調を理由に途中で中止した安室奈美恵(34)。ステージ上では、
「みなさん、本当にごめんなさい。体はとっても元気なんですけど、気づいたかたもいらっしゃると思いますが、サビの高音がほとんど出せませんでした。声が本当にこれ以上出なくて…」
と、ファンに謝罪。まさに苦渋の決断だった。
安室には、ライブが人生そのものだった。それは、「ファンと一緒になれるのがうれしいから」とシンプルな理由だが、人一倍シャイで人見知りな彼女にとっては、ライブとは特別なものだった。レコード会社関係者が語る。
「たまに出演する歌番組などでは、共演者に“私を放っておいてくださいオーラ”を出す。彼女自身は“変わらなくちゃ”って思っているようですけど、いまだにライブでは、MCはしません。まあ、“できない”というのが実情なんでしょう。でもそのライブステージでは、自分自身をさらけ出せる。彼女が無条件で誰かとつながっていることを感じることができる唯一の場所なんですよね」
どんなライブもそうだが、アーティストとスタッフは「チーム」となってゴールを目指す。浜崎あゆみ(33)や倖田來未(28)らのように、トップ女性ソロアーティストともなれば、座長としてチームを力強く引っ張っていくことも求められる。もちろん、「安室奈美恵」にもその責任があった。
「自分のやりたいことへのプレゼン能力? ハッキリいって高いほうじゃない」
極度の恥ずかしがり屋で、「ようやく打ち解けてくれた」といってくれたスタッフが、実は5年のつきあいだということもあった。「伝え下手」を自認する彼女が、座長を務めるのは何よりも大きな重圧だったことだろう。
「やりたいことがあっても、その伝え方がわからなくて、イライラする。スタッフとぶつかっても、今度は謝る言葉も見つからない。悩みを笑い飛ばすタイプでもないから、全部ひとりでため込んじゃうんですよね…。大好きなライブだけど、それを作り上げるまでは、彼女自身のなかでそんな葛藤の連続なんだと思います」(音楽関係者)
※女性セブン2011年11月24日号