徳川家の菩提寺として知られる東京・上野の寛永寺――市川猿之助(71)の妻で、2009年3月に亡くなった藤間紫さん(享年85)は、ここで眠っている。墓には「優照院賢徳紫芳大姉(藤間さんの戒名)三回忌追善」と書かれた卒塔婆が何本も立てられていた。
いま、その墓を巡って、香川照之(45)が『キネマ旬報』11月上旬号で発した言葉が思わぬ波紋を呼んでいる。
<母には最後には出戻った実家の香川家の墓ではなく、父方の喜熨斗(きのし)家の墓に眠ってもらいたいと思っている>
なんと香川は、父・猿之助と40年以上前に離婚した母・浜木綿子(76)を父の“喜熨斗家”の墓に入れたいと力説するのだ。それはつまり、母と自分から父を奪った藤間さんとを“同じ墓に入れる”ということとなる。これには、ある歌舞伎関係者は驚きを隠せない。
「浜さんはいまでも藤間さんを憎んでいますからね。その人と同じお墓にはいるなんて、きっと浜さん、死んでも浮かばれませんよ。香川くんは何を考えているんでしょうか」
浜本人に香川の発言について話を聞いた。
「ああ…それは以前からいってましたよ。まあ、冗談だとは思いますけどね。どういうつもりかは本人に聞いてください」
1965年2月に結婚した浜と猿之助。同年12月に香川が誕生するが、結婚から2年が経ったころ、猿之助は浜とまだ1才だった香川を残して家を飛び出し、藤間さんとの不倫愛へと走ったのだった。1968年1月に正式に離婚した後は、浜が女手ひとつで香川を育てた。
「浜さんは、幼い香川さんの前でも“あの女は絶対に許さない”と怒りを爆発させ、さらに“あなたは、大物になって、見返してやりなさい”といい続けたんです」(当時を知る芸能関係者)
誰よりも間近で浜の猿之助と藤間さんへの憎しみを感じてきたはずの香川がどうしてこんな発言をしたのだろうか。
「香川さんにとっては、ふたりがどんなに憎しみ合っていても、唯一無二の父と母です。“自分も親父を許したんだから、お母さんもいつまでも憎しみ合わずに許してあげたら”という、息子という立場でしかいえないメッセージだったのだと思います」(香川と親しい芸能関係者)
※女性セブン2011年11月24日号