9月のじゃんけん選抜で優勝したAKB48の篠田麻里子(25)の初センターシングル『上からマリコ』(12月7日発売)が早くも話題だ。
インパクトのある曲タイトルから「いったいどんな曲になるの?」とファンの間でも注目されていたがこのほど、ミュージックビデオが公開。軽快な曲調で、思わず口ずさみたくなるアップテンポなポップチューンだ。
音楽評論家の富澤一誠氏が、こう語る。
「サビの部分が一度聞いたら覚えやすく、AKBのこれまでのヒット曲同様、ヒットのコツをおさえたよくできた曲だと思います。AKBの勢いもありますし、これだけ話題になっていますから、この曲も1週目で100万枚を超えるのは間違いないでしょう」
最近のシングルが3作連続で初週ミリオンを突破しているが、史上初の“4作連続初週ミリオン”達成の可能性は高いという。
歌詞は、Sっぽい“麻里子様キャラ”のイメージ。年下男子を振り回す“年上のお姉さん”の自由奔放さや、わがままっぷり、かわいらしさが表現されている。
「これは歌詞がすごくいい。女性からではなく、男性の視点で歌詞が書かれているので、男性ファンも感情移入しやすい。それに、年上の女の子に振り回される年下男子というテーマは、いまのこの時代にありそうな状況をズバリ描いていますよね」と富澤氏。
そして、この曲は、AKBメンバーの名前を曲タイトルに冠した初めての曲としても注目だ。サビでは「マリコ」という名前が効果的に使われている。
これまで、人の名前をつけたヒット曲といえば、サザンオールスターズ『いとしのエリー』、長渕剛『順子』、甲斐バンド『安奈』など数多い。しかし、歌手自身の名前を冠したものは、決して多くはない。藤圭子『圭子の夢は夜ひらく』、氷川きよし『きよしのズンドコ節』などがあるが、アイドルグループでは、ほとんど例がないといっていいだろう。
しかし、そこに、大ヒットの根拠があると富澤氏はみている。
「『上からマリコ』は、カタカナのマリコにしているところがポイントです。篠田さんのために書いた曲だとは思いますが、『麻里子』という固有名詞ではなくて、『マリコ』にすることで“一般名詞”にしている。そうすることでより多くの人にアピールする手法です。それに、マリコという名前の響きは、どことなくかわいらしくキュートで明るい感じがするでしょ。『上からジュンコ』ではちょっとイメージが違ってきますよね(笑い)。
加えて、“カラオケ効果”があるとみています。カラオケで『いとしのエリー』のサビを恋人や友人の名前に変えて歌う人がいますが、それと同じように『上からマリコ』のサビを誰かの名前に変えて歌えば絶対に盛り上がる。年末の忘年会にむけてカラオケ曲としてもヒットする可能性は高いですね」