立冬を過ぎ、そろそろ飲み物もあたたかいものが欲しくなる季節。夕食に鍋やシチュー、スープものという日が増える人も多いことだろう。食べたものや作った料理を公開することも多い芸能人のブログでは、そんな“あったかメニュー”を夜だけでなく朝食べるという記事も増えている。
例えば、東京では小雨が降り、気温が14度と冷え込んだ11月11日の朝。朝ごはんとして、ほしのあきは「今日は寒いね 寒い時は温ったかシチュー」(原文ママ)というコメントとともに、ホワイトシチューとウインナーロールの画像をアップ。瀬戸朝香は前日の夜から用意していたというかぼちゃのポタージュを作っている。朝に“あったかメニュー”を摂ることについては“なんとなく体に良さそう”とは思っていても、どれほど“良い”のか。管理栄養士でフードコーディネーターの根橋亜希子さんに話を聞いた。
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――「摂取時間」へのアドバイスはありますか?
起きてすぐは消化器官がまだ活発に動いていないので、目覚めてから30分~1時間以内に朝食を摂取すると体にスイッチが入るといわれています。
温かいスープは胃腸を温め、短時間で体が芯から温まるので体の目覚めもよくなり、冷え性の人には特におすすめです。
二日酔いのときには朝食を食べたくないことが多いと思いますが、温かいスープで血行をよくすることでアルコールの分解も活発になります。また肝臓の回復を促すためにも水分やビタミンなどを補給できるスープがおすすめです。
――例えばスープだけで、一日のどのくらいの割合の野菜をとることが可能になるのでしょうか?
1日に摂りたい野菜の量は350gといわれています。ミネストローネスープの場合は35%、
ポトフ風のスープの場合は25%ほどを満たします。サラダではたっぷり食べて20%ほどです。野菜に火を通すスープはカサが減り、野菜を多く食べることができるうえ、水溶性のビタミン類も効率よく摂ることができます。
――夜よりも朝、スープを食べることのメリットはありますか?
夜よりも朝に摂る野菜やスープは、1日の活動エネルギーに使われます。これから活動を始める朝のほうが栄養素の吸収は高まります。
温かいスープは安堵感が得られ、リラックス効果があるというデータがあります。また、消化に負担のかからない温かいスープは夜にも朝にもおすすめといえます。
また、ジュースやコーヒー、緑茶はカラダの熱を冷ます作用があります。また、冷たいものを摂ると1時間ほど直腸の温度が下がり続けるため、体温の上昇がわずかなものになります。
朝は1日で最も体温が低い時間帯です。体を温め、栄養補給ができる温かいスープは1日の活動のウォームアップに適しているといえます。
――合わせる食材、アレンジにはどういったものがオススメでしょうか?
合わせる食材は体温を上げるために必要なたんぱく質とエネルギー源として炭水化物を摂ることが必要です。野菜たっぷりのスープにベーコン、ウインナー、卵、チーズ、鶏肉、貝類、ゆで大豆、豆腐などでたんぱく質を補い、パスタ、ご飯、芋類、パン、クラッカーなど炭水化物を合わせればバランスのよい朝食になるでしょう。
いろいろな食材を組み合わせて作るスープは体調に合わせて食材を選ぶとよく、例えば、疲れているときには「豚肉+にんにく+レモン汁」。肌荒れが気になるときは「緑黄色野菜+鶏手羽肉+じゃがいも」、冷え性が気になるときは「しょうが+ねぎ+ごま」、便秘がちなときは「根菜+大豆+ナッツ類」といった例が考えられます。
その他、体温を上げる効果のあるしょうが、カレー粉、シナモン、こしょう、唐がらし、ラー油などをプラスすれば代謝力アップに役立ちます。オリーブオイル、ごま油、バター、マヨネーズなど脂質を補うと、ビタミンA、Eなどの脂溶性ビタミンの吸収を助けるとともに、コクが出て、満足感が得られます。オクラ、もずく、山芋などネバネバ成分を含む食材をプラスすると水溶性の食物繊維も摂れ、とろみがついて冷めにくくなります。