この夏、「韓流偏重だ!」とネットで叩かれ、本社前で抗議デモが起こる事態にまで発展したフジテレビ。そんな批判にも負けず、新ドラマ『僕とスターの99日』(日曜夜9時~)では敢えて韓国トップ女優のキム・テヒ(31)を主演に起用した。
キム・テヒはフジテレビに抗議した人々からは、「反日女優」とまでいわれる存在だ。竹島問題でも、2005年に韓国の広報大使としてスイスを訪れた際、「独島は我らの領土」と書かれたTシャツを着て、同様の主張を現地インタビューで語っていたほど。
こんな不安材料を抱えたドラマに、早くも猛クレームが巻き起こった。ただし今度は抗議デモをした彼らからの抗議ではない。皮肉にも韓国側から怒りの声が上がっているのだ。
件のシーンは、10月23日放送の第1話にあった。主人公である航平(西島秀俊)が、ひょんなことからキム・テヒ演じる韓国の大女優の専属のボディガードに選ばれる。それを知った航平の甥っ子たちが、地球儀で「韓国ってどこにあるの?」と、指で追って探そうとする。
画面には、地球儀の朝鮮半島と日本列島がアップで映される。そこにははっきりと「竹島」「日本海」の文字が記されていた。
これに噛みついたのが、韓国で“ネチズン”と呼ばれるネット市民たち。
「正しい表記は竹島ではなく独島、日本海ではなく東海だ!」
「反韓国感情を意図的にドラマで表現している!」
「キム・テヒははめられたのではないか」
と、ネット上で大騒ぎになっているのである。この騒動についてフジテレビ広報部に聞くと、「番組に抗議はきておりません」と静観の構え。
スポーツ紙のインタビューでは「日本は大好きです」と強調したキム・テヒだが、いったんくすぶった反日・反韓感情を前にして、「友好の架け橋」となるのはなかなか難しそうだ。
※週刊ポスト2011年11月18日号