ライフ

外出したら「女は家にいろ」と怒鳴られるなど凄惨なDVを告白

DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)が2001年に施行されてから10年が経ち、いまではDVという言葉は世の中にすっかり定着した。

DV防止法の施行前、“民事不介入”の警察は家庭内での暴力を犯罪とはみなさず、被害者が相談できる公的機関さえなかった。しかし、2001年に配偶者暴力相談支援センターができると、翌年度に3万5943件ものDV被害相談が殺到。相談は年々増加し、2010年度(平成22年度)は7万7334件へと倍増した。

DV被害者支援団体「エープラス」代表の吉祥眞佐緒さん(42)は、自らも壮絶なDVに遭った過去を持つ。大学生だった21才のとき、3才年上の会社員の男性と知り合い、結婚。しかし、穏やかだった彼は結婚を境に豹変した。

「“ベランダの柵は一本一本磨き上げろ”などというように、家のことに関して厳しいハードルを課すようになりました。ほんの少しでもできていない部分があると“そこに座れ!”とすごい剣幕で説教が始まるんです」(吉祥さん)

吉祥さんが懸命に夫の期待に応えようとすると、夫の要求はますますエスカレートしていった。夫は1日に何度も家に電話をして吉祥さんが家にいることを確かめた。もし不在であれば、帰宅してから「女は家にいろ!」と怒鳴りつけた。外出時は夫に事前申請する“許可制”になり、少しでも帰宅が遅れると、「ルールを守れ」と一晩中なじられた。

「どんどんと自由が奪われ、息苦しさを感じるようになりましたが、それでも“家庭にはいるっていうのはこういうことなんだ”と思い、耐えていたんです」(吉祥さん)

夫の「子供が生まれればおれも少しは変わる」という言葉を信じ続け、吉祥さんは5人の子を出産。しかし、吉祥さんの期待に反し、夫は14才になり思春期を迎えた長男にまで「態度が気にいらない」と暴力を振るうようになる。

「そのころから、『ウチもDVでは…』と思うようになり、ネットで調べ始めたんです。警察にも相談するようになりました」(吉祥さん)

そんな妻の様子を察した夫はパソコンを隠し、ついには電話の通話記録まで調べるようになった。そしてある冬の晩、決定的な事件が起きた。いつものように罵声を浴びせ始めた夫に耐え切れず、吉祥さんはファクス付きの電話機に手を伸ばし、警察に通報した。すると夫は激高、電話機の本体を持ち上げ、警察と電話している妻の頭に何度も叩きつけた。

吉祥さんは血を流し、子供が泣きわめく修羅場となったが、駆けつけた警察官に夫は「妻がひとりで転んだ」と白を切った。全身打撲で1か月の重傷を負った吉祥さんはこの件をきっかけに夫と調停離婚。

夫との調停中に自らの経験を生かし、DV被害者支援団体を設立した。

「夫への情や自分を責める気持ち、家族は一緒に暮らすべきだという見えない縛りによって、大きな決断ができない女性の支援をしたいと思ったんです」(吉祥さん)

※女性セブン2011年12月1日号

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン