50代、60代からでも脳を鍛えるにはどうしたらいいか。『100歳まで成長する脳の鍛え方』(主婦の友社刊、11月18日発売)を上梓する医学博士・加藤俊徳氏が、“今日から実践できる生活習慣”を紹介する。
●指先を複雑に動かす
咄嗟に人の名前が出てこないなど、物忘れが激しくなると「自分もボケた」と自嘲する人が多いが、ほとんどの場合、ボケではないという。原因のひとつは多忙による記憶力の低下。あることに忙しいと、他のことを記憶する働きは自然と鈍くなる。もうひとつは生活リズムの狂い。集中力が途切れがちになり、記憶を司る海馬が眠ってしまう。
「こうした状態を解消する簡単な方法として『指先トレーニング』が効果的です。両手を握った状態から、まず右手の親指を立て、同時に左手の小指を立てる。再び両手を握り、今度は右手の小指と左手の親指を同時に立てる。そして、両手を握る……この一連の動作を30回程度繰り返すと、海馬と運動系脳番地(※)を活性化させることができます」(加藤氏。以下同)
※脳番地:「脳の機能によって使われる脳の場所が異なる」ことを意味する
●辞書を引く
歳を取ると「新しい話題についていけない」と悩む人が多い。原因のひとつは記憶力が衰えてきたこと。もうひとつは、新しいことを肯定的に捉える考えが乏しくなってきたことだ。
「新聞、雑誌、テレビなどで知らない言葉が出てきたら、そのまま放置せず、辞書で調べる習慣をつけましょう。そうやって新しい単語を覚えることで、記憶系脳番地と好奇心の両方を刺激することができます」
●宝くじを買う
前頭葉を刺激するためには、トランプ、花札、麻雀などのゲーム、あるいはダーツ、ビリヤードなど勝負事的な要素のある運動をするのも効果的だ。また、宝くじ、ロト6、totoなど、買ってから結果が出るまでにある程度の時間があり、その間期待感が持続するものを買うのもいい。
※週刊ポスト2011年11月25日号