竹島(独島)問題となると、国を挙げての闘争となる韓国。一方、日本側の対応だが、これについて産経新聞ソウル支局長の黒田勝弘氏は疑問を抱いているという。
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「“独島”では何でもあり」の韓国の熱狂ぶりに比べ、日本での無関心は依然、目を覆うばかりだ。たとえばずいぶん前から訴えているのだが、天気予報がそうだ。
韓国では毎時間のようにテレビの天気予報が「鬱陵島・独島地方は……」とやっているが、日本では「隠岐・竹島地方は……」は今なおない。
政府レベルとなると日韓格差はもっとすごい。まず教育科学技術省傘下の「東北アジア歴史財団」には「独島研究所」が設置され、外交通商省から「担当大使」まで出している。この機関は領土問題のほか歴史教科書問題さらには「日本海」名称追放作戦も展開している。
ちなみに予算は10億円以上、スタッフは100人近くいる。日本の学者や研究者を含め国際的な囲い込みに全力を挙げており、昨年の業務成果として「日韓併合100年・菅直人首相謝罪談話」を誇っている。政府関係で意外に知られていないのが外交通商省に設けられている「領土課」。領土問題を外交の主要テーマとしてはっきり担当課を設置しているのだ。日本の外務省にはもちろんない。
民間では大学に研究所が多く設置されている。ソウルでは、韓国帰化の元日本人で反日論評で人気の保坂祐二教授が所長を務める「世宗大学独島綜合研究センター」があり、地元の慶尚北道には嶺南大や大邱大などに独島研究所がある。「独島学会」は全国的規模で存在する。
運動団体は日本での“反日遠征闘争”までやっている「独島守護隊」など大活躍(?)だし、ネット王国だけにネットで国際世論取り込み作戦を展開中の「VANK」も人気が高い。日本では「元気な韓国に学べ!」だそうだが、たしかに「学ぶ」ところは多い。
※SAPIO2011年12月7日号