【書評】『一分ノ一(上・下)』(井上ひさし/講談社/各1995円)
戦後、日本は米英中ソによって分割統治されていた。
〈口惜しいとは思いませんか(中略)ニッポンはもともと一つの国なのです〉。
ソ連が統治する北ニッポンの地理学者・遠藤三郎、通称サブーシャは、中央(米)、西(英)、四国(中)の同志とともにニッポン統一を目指すことに。統一運動を阻止する秘密工作員たちに命を狙われる中、闇ルートで入手した身分証のせいで何度もトラブルに巻き込まれる……。さてニッポンの運命はいかに!?
※週刊ポスト2011年11月25日号