「ぼくのイチオシは『あの人のバッグの中身』の記事。人のバッグが気になる季節になったなーと感じます」と話すのは、流通ジャーナリストの金子哲雄さん。女性セブン2011年11月10日号で本誌は大桃美代子や小島慶子、シルクらのバッグの中身を紹介した。金子さんがこの記事に注目したポイントとは?
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他人のバッグの中身って、その人のライフスタイルや経済水準を覗き見る楽しさがありますよね。この記事では、読者がいかに「有名人の持ち物」に興味を持っているかがわかります。特に手帳商戦のシーズンなので、ますます気になるんです。
これが「一般人のバッグの中身」だと意味がないんです。いま話題の人が使っているモノだから価値があるんですね。こういう傾向をぼくは「WHOの時代」と名づけています。
つまり、かつてはルイ・ヴィトンというブランドだけで売れたけれど、いまは「だれが使っているルイ・ヴィトン」じゃないと売れません。藤原紀香や中西モナがよく商品展示会に呼ばれるのは、彼女たち自身にブランド力があるからですね。
だからこの記事では、読者にもっとも関心の高いアラフォー世代で話題の人が登場していますね。紹介されているシルクさんの手袋とか、小島慶子さんのマスクとか、金子エミさんの水素還元水などは、これから売れるでしょう。読者は話題の人たちが持っているのと同じ物を持つことで「納得度」が上がります。あの人も使っているんだって。流行に乗っているという安心感も持てますし。
男性にとっても参考になる記事です。クリスマスのプレゼントで女性はどんなものが喜ぶのかなと。「これ、シルクさんも使っている手袋」なんてひとこと添えて渡すと効果的ですよね。
※女性セブン2011年12月1日号