以前掲載した「リスク限定・100円から為替トレードできる『外為オプション』」の記事では、“なかなか実際のトレードに踏み出せないでいる”といった方たちから「興味をひかれた」「これなら始められるかも……」などの反響が多かった。
このGMOクリック証券の『外為オプション』は10分後の為替レートが円高か円安になるか2択で予想する「バイナリーオプション」。個人投資家に人気があるFXブロガーのコメントを読んだり、実際にバイナリーオプションのトレードをしているユーザーに聞いてみると、外為オプションを利用しているユーザーが圧倒的に多い。なぜ、外為オプションが支持されているのか? その秘密を検証してみた。
前回記事と重複する部分もあるが、最低購入単位を100円としているのは外為オプションだけなのに対して、他の商品は最も小額で500円から。また10分といった短時間でトレード結果が判明する商品は、外為オプションを含め複数あるが、逆に結果の判明までの時間が24時間以内や1週間後というものもある。
また最も大きな違いは、「どうなったらトレードの予想が当たったことになるのか」という基準である。
外為オプションは、10分後の為替相場が「円高」か「円安」かを予想するだけ。予想が当たれば購入金額が2倍になり、外れれば購入金額分が損失額となる仕組みで、非常にシンプルで分かりやすい。
一方、他のバイナリーオプションの場合は、円高か円安かの予想に加え、目標値あるいは一定の範囲(レンジ)も予想しなければならない。つまり、円高・円安の予想が当たっても、目標値やレンジに達しなかった場合は、外れたことになってしまう。
こうした目標値やレンジの設定をするタイプのバイナリーオプションは、予想が的中した場合、目標値やレンジによっては購入金額の数倍の利益が得られる仕組みになっているが、当然、高倍率になるほど、為替相場が数10銭、数円と大きく動かなければならず、予想の難易度は非常に高くなる。
他の商品の中にも「円高か円安かを当てれば予想的中で、予想が外れた場合の損失は購入金額」という設定は同じものの、利益の倍率が相場動向によって変化し、最大でも1.95倍にしかならない。
つまり外為オプションの場合は、“短時間で結果が判明”、“100円と極めて小額から取引可能”、“損益の設定が2倍かゼロか”と非常に明確なのだ。
こうした商品を開発した背景について、GMOクリック証券マーケティング室長・鬼頭弘泰氏に話を聞いてみた。
「サービスの設計段階で外為オプションも従来のオプション商品と同じく、円高円安の中で、さらに細分化させて倍率を決定するなど、少し複雑なものを検討したこともありましたが、最終的にはシンプルなものが一番いいと判断しました。」と鬼頭氏は振り返る。
「円高か円安を予想するだけ、という極めてシンプルな設定であれば投資ビギナーの方にも受け入れてもらえるだろうと思ったのです。また、予想が外れた場合は購入金額が損失額、当たった場合は投資金額の2倍になることにはこだわりました。
FXの魅力である小額からの投資が厳しい状況だからこそ、これから投資を始める方への敷居を高くしないように徹底しました。これからもお客様の意見に耳を傾けながら、よりよい商品へと改善していきたいと考えています」(鬼頭氏)
このようにユーザー目線に立った商品ということが、数あるバイナリーオプションの中で多くの個人投資家に支持を得ている理由のようだ。
またそれだけでなく「外為オプションで、初めて為替トレードを始めた」という個人投資家が増えているのも、こうしたユーザーの立場に配慮した分かりやすい商品設計が、投資初心者にも受け容れられるポイントなのだろう。