巨人軍のコーチ人事をめぐり渡辺恒雄・読売巨人軍取締役会長(読売新聞グループ本社会長兼主筆)を記者会見で公然と批判した清武英利・読売巨人軍専務取締役球団代表兼ゼネラルマネージャー(GM)が、11月18日、球団から解任された。本誌は解任直前に清武氏を都内で直撃した。
――渡辺会長は(記者会見を受けた)反論談話の中で「責任あるポストにいる人」から清武さんへの批判が届けられたといっている。
清武:記者時代から、摩擦もあったし、ぬるま湯につかっている人たちにとっては、煙たい存在だったろうし、上司からも無礼だといわれ続けた。この先も私に対する誹謗中傷があると思う。でも、読売の先輩の中には、激励の手紙を下さったり、メールをくれた人もいる。ただ、誰も表立って渡辺会長に楯突こうとは思っていないはず。
渡辺会長は、清武GMに対し、近い将来の読売巨人軍社長就任や読売新聞の副社長級のポストを示唆し、翻意を迫った。これに対しては、即座にこう返した。
清武:私の気持ちは変わりませんでした。記者時代から企業の不正などを追及してきた立場にあるし、それを受け入れた段階でコーチや選手にも偉そうなことはいえなくなる。岡崎ヘッドというわけではなく、共に頑張ってきたコーチや選手たちを私は守らなければならないのです。
――渡辺会長は、あくまで謝罪を求めているが。
清武:私から謝ることはありえません。また、私から辞めるつもりもありません。渡辺会長が、ルールを逸脱して口を出さなくなるまで頑張るしかありません。
現状では、孤立無援に見える清武氏。最後に、不安はないのかと尋ねると、「もちろん、将来に不安はありますが、私の生き方を貫くのだから、仕方がないと思っている。(解任されたとしても)故郷の宮崎ででもなんとかやっていきます。温暖で飢えることもないですから」と。
※週刊ポスト2011年12月2日号