清武英利・読売巨人軍専務取締役球団代表の解任という形に収まった巨人にまつわる一連の騒動。騒動の発端は、一度決まったコーチ人事を渡辺氏が覆し、江川卓氏をヘッドコーチに迎え入れようとしたことだった。
この「江川入閣構想」だが、これはどのような経緯だったのか。渡辺会長とは距離を置く読売新聞グループ幹部の一人が口を開いた。
「渡辺会長は“江川ヘッド案は原(辰徳・監督)から提案を受けた”としているが、これは事実のようだ。しかし原監督は、ここまで大きな問題になったのは想定外だったと思う」
それはなぜか。
「原監督が江川ヘッドを提案したのには理由がある。今季の成績では人事に何らかのテコ入れが必要となるのは原監督も感じている。そこで、渡辺会長が“借金問題が片付かないうちは監督にはできない”と以前から語っていた江川氏に目をつけた。つまり、“江川ヘッドならば将来的に自分の地位を脅かすことがない”と考えたようなのです」
原監督は打算で江川氏の名を挙げ、それに渡辺会長が飛びついた。そこに思いがけぬ清武氏の反乱が起き、問題が大事になったというのだ。
※週刊ポスト2011年12月2日号