男子ゴルフ界で「持ってる選手」といえば、誰もが「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11月10~13日。優勝賞金3000万円)で史上3人目のアマチュア優勝を果たした松山英樹(19)を思い浮かべるだろう。
だが、松山以上に「持ってる男」がいた。同大会で2位に入ったベテランの谷口徹(43)だ。
というのも、アマの松山は規定により賞金や副賞を受け取れないため、優勝賞金と副賞のBMW(1235万円相当)は繰り上げで谷口の手に。
さらにツイていた。大会は2日目が雨天サスペンデッドで3日間競技となったため、本来なら賞金は75%となるのだが、大会主催者の好意により、賞金は全額支払われることになったのだ(ただしツアーの賞金レースに加算されるのは75%分)。
「2位だったら賞金1500万円だけだったため、谷口は仲間から“この賞金ドロボー”と手荒い祝福を受けた」(ゴルフ誌記者)
記者から突っ込まれた谷口は、「お金よりも、負けたことが悔しい」と答え、
「賞金は貯金して、松山がプロになったら贈与する。車もいつでも貸してあげるようにするさ」と宣言。記者が驚いて、「プロ、マジですか?」と聞き返すと谷口は、「冗談に決まっとるがな」 と、破顔一笑してロッカールームに逃げ込んだ。
本人の名誉のためにいえば、「小技がしっかりしているから上位に入るのは当然。2位に入る実力があるからこその棚ぼた」(同僚プロ)ということ。
※週刊ポスト2011年12月2日号