高齢の女性ほど羅患のリスクが高まるといわれている乳がん。早期であれば手術によって根治する可能性も高いため、日ごろの予防や早期発見が重要となる。そして、乳がんの予兆といえば、乳房にできるしこりが一般的だが、必ずしもそればかりではないという。
母を子宮がんで、祖母を咽頭がんで亡くしているAさん(50才、主婦)は、普段からがんには敏感で、それなりに予防を心がけていた。
ところが、区の乳がん検診で異常が見つかり、再度マンモグラフィーで検査をしてみるとすぐに乳がんであることが判明。病理検査の結果、悪性で片方の乳房を全摘出する手術をすべきだと告げられた。
「自分なりにあおむけになり、触診をしていたのですが、しこりらしきものはなかったんです。ですから乳がんを告げられたときはショックでしたね」(Aさん)
予兆らしきものは、まったく感じなかった。ただ、数年前から肩こりがひどくなっており、首から背中にかけて重苦しい痛みが走ることが増えていたという。
「いまから思うと切除した右側の首や背中が特に痛かった。こういった痛みは乳がんの症状のひとつでもあるようです。がんがわかった後に勉強してから知りました」(Aさん)
アヴェニューウィメンズクリニック産婦人科医医師・國井優衣子さんはこう解説する。
「乳がんがリンパ節に転移してリンパ節が腫れていると、背中に違和感やこりを感じる可能性があります。ただ、乳がんの場合、自覚症状の9割近くが乳房やわきの下のしこりです。そのほか乳輪や乳頭がただれるという症状もあるので、見逃さないようにしましょう」
※女性セブン2011年12月1日号