「○○を食べると健康によい」など巷にあふれる健康情報。だが客観的にみるとひとつの食品や栄養素を取り上げ、「木を見て森を見ない」情報ばかり。昨今の健康食ブームを検証し、本当に体によい食事とは何かを論じる書が『「健康食」のウソ』(幕内秀夫著・PHP新書・756円)だ。
同書について、3人の女性書評家に解説してもらおう。まずは、月に30冊近く読破する「活字中毒」の女性から。
ロングセラー『粗食のすすめ』シリーズで知られる著者が、誤った健康情報に踊らされる日本人に警鐘を鳴らす本書。読んでいて私も耳が痛いのなんの。「朝バナナダイエット」が流行れば毎朝バナナ、その前はやはり胃腸が大事とヨーグルトばかり食べ、寒天でやせたと聞けば飛びつくも、いつしか飽きて止めてしまい……の繰り返し。ブームに振り回され偏った食事をしている自分の不健康さに気づかされた。本当の健康について考え直す良書です。
続いては、小説よりもエッセイが好きなOLの意見だ。
食に関しての情報は多様化していて、私たち現代人は迷う。その交通整理を「粗食」という観点から著者はしてくれているような気がした。日本人に合う食事はシンプルに米を中心とした粗食。それも玄米菜食主義ではなく、魚介類といった動物性たんぱく質もしっかりとり、自分の体が求める食事をすることを提示。食のライフスタイルを見直すきっかけになった。
最後は、「本はじっくり時間をかけて読みます」が信条の40代・一児の母だ。
健康は気になっているものの、あまりにも情報が多すぎていったいどうすればいいのかわからなかった。でもこの本を通じてすっきりと整理できた気がする。飲み物でカロリーをとらない、カタカナ食は避けるなどを心がけていれば、健康食に関してはヒステリックにならなくてすみそう。お金もかからないし、私もすぐに始められる。
※女性セブン2011年12月8日号