男たるもの、いくつになっても新たな女性との“秘めごと”に心躍らせたい。一線からリタイアしたオーバー60歳以上の世代にとって、「出会いの場」は減る一方だが、最近、シニア世代の恋愛事情に変化が訪れている。
「出会いの場」を探す中高年たちのツールも様変わりしてきた。最近では、インターネット上にシニア向けの“出会い系サイト”まで登場している。
その一つ、『私の街へ来てみませんか?』は、30歳以上限定のメル友募集サイトだが、運営会社のピーソフによれば、会員の年齢層はもっと高いという。
「まずエントリー会員の登録をしていただき、必要な選択項目に答えていただいたうえで自己PRを記入していただきます。ただし、この段階では電話番号やメルアドなどの個人情報をメッセージに書き込むことはできません。気に入った方とそうした情報をやりとりしたい方は、運転免許証や健康保険証などを提示したうえで、レギュラー会員に登録していただきます」(ピーソフの小嶋章義代表取締役)
伝言メッセージは1通50円、フリーメッセージは1通1000円。一度フリーメッセージで相手と連絡先を教えあえばサイトを経由する必要がないので、それ以上の費用はかからない。
このサイトを利用している68歳の男性がいう。
「年収とか、趣味とか詳細な質問項目があるんで、出会う前に相手のことを知ることができます」
62歳の元地方公務員は、このサイトをきっかけにして52歳女性と知り合った。
「ネットなら何人にアプローチしても気兼ねがないし、気に入らない相手にはメールしなければいいんです。妻の場合、普通は最初の挨拶が『こんにちは』とかだけなのに、僕のハンドルネームを見て、『●●さん、こんばんは』と返信してくれた。実際会ってみたら現役保育士で、相手を思いやることのできる人だった」
近況報告や趣味の話など、毎日メールを交換し、直接会うことになった。最初に会ったときから「何年も前からつき合っていたみたい」とお互い思ったという。
※週刊ポスト2011年12月2日号