安室奈美恵(34)の突然の公演中断アクシデントから3週間。全国ツアーは何事もなかったように再始動した。
毎年行っているツアーは「追加公演」「再追加公演」を重ね、2009年には女性ソロアーティスト史上最多動員数(総観客動員50万人)を記録したほどだ。
「女性が仕事をして、責任を背負っていくことは、バランスをとるのが難しい」
ファッション誌『グラマラス』5月号でそう話していた彼女。いつも「安室奈美恵」としてかっこよくいなくちゃいけないと気を張っているが、家に帰れば、自然と現実に引き戻されるという。
家の中では基本「人に見せられない」格好でのんびりゴロゴロして過ごす彼女。韓流ドラマ『美男〈イケメン〉ですね』や海外ドラマ『ヴァンパイア・ダイアリーズ』を見たり、漫画を読んだり。その彼女のそばからは、性格の違う3匹の犬が離れない。
そんな生活の中で、一緒に暮らしている最愛の長男(13)こそが、歌っている安室奈美恵とそうでない安室奈美恵のバランスをとっているのだ。
1997年10月。歌手として絶頂期にいた20才のとき、安室はSAM(49)とのできちゃった結婚を発表した。翌1998年5月に長男を出産し、同年の紅白歌合戦で復帰。順風満帆に見えた矢先の1999年3月、母が事故死するという悲劇に見舞われた。
そして2002年7月、SAMとの離婚を電撃的に発表した。当初親権はSAMが、養育権は安室が持つこととなった。 「子供の名字が変わってしまうことも気がかりだったようで、当時、SAMさんの実家の意向もあって、親権は彼が持つことになったんです」(レコード会社関係者)
SAMの実家は、埼玉県でも有数の総合病院を経営している名家。安室とSAMは離婚後、同じマンションの別フロアにそれぞれ部屋を借り、息子の子育てを1週間交代で行った。どちらかが仕事で忙しいときにはどちらかが世話をし、ともに忙しいときには、SAMの実家に預けるというスタイルだった。
「でも、SAMさんが子供の面倒を見られない日がだんだん増えていったそうなんです。そんなときに、彼が新恋人と再婚するという話を聞くようになった。もちろん独身だから、新恋人がいようが問題はないけれど、彼が再婚したりした場合のことも考えたんでしょうね」(SAMの知人)
2005年、「親権を返してほしい」と安室が家庭裁判所に申し立てた。結局、調停の末、親権はSAMから安室に移った。
SAMの親族がこう嘆く。
「SAMさんのお母さんは、お孫さんが、小学校にはいってから会ってないそうです。寂しくないといったら嘘のようですよ」
かといって、元姑と安室の間に確執があったわけではない。
「SAMさんのお母さんも奈美恵ちゃんのことは、かわいいと思っていたし、コンサートにも行ってました。でも安室ちゃんも忙しかったですから、親密な関係を築くほど会う機会も多くなかったようです。それに彼女の場合、やっぱりお母様を亡くされたのが、彼女の中で大きかったんでしょう…」(前出・SAMの親族)
安室を知る芸能関係者も、愛する母の死が彼女の「孤高の原点」ではないかと指摘する。
「母親を事故で亡くしたとき、彼女はまだ21才。早くに肉親を失うという不幸もあって、対人関係を築くことに及び腰になった部分はあると思います。食事も決まった店にしか行かないし、ジム通いするよりもトレーニング器具を買って自宅で黙々と体づくりをしたりするんです。
もう何年も一緒に仕事をしてきている人にもなかなか自分の感情をうまく伝えられない性格ということもあって、時間が経つほど疎遠になっていく夫や、その家族に連絡を取ったり、会いに行ったりするのも、ついためらってしまうんじゃないですか」
※女性セブン2011年12月8日号