11月23日放送の第7話で最高視聴率23.5%を記録した、松嶋菜々子(38)主演のドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)。その勢いはとどまるところを知らないが、ドラマとともに注目を集めているのが、主題歌だ。
エンディングで流れる『やさしくなりたい』は、斉藤和義(45)の39枚目のシングル。軽快なテンポとエレキギターの演奏が印象的なメッセージソングだ。
「斉藤が“ミタ”のために書き下ろした曲で、大切なものを失った人がどう再生していくか、ということをテーマに作ったそうです」(音楽関係者)
11月2日にリリースされ「JAPAN HOT100」でチャート4位を獲得。ドラマの人気とともに、いまもチャート上位にランクインしている。音楽評論家の富澤一誠氏はこう語る。
「テンポがよくてメロディーもわかりやすい。詞もいまの時代を反映しています。親が子を殺めたり、子が親を傷つけたり、家族の絆が壊れている、そういう愛のない時代のなかで、果たしてそれでいいの? という問いかけがある。
とくにいま、震災や原発事故で、故郷をなくしたり家族を亡くしたりといった凄惨な状況が起きている。あってはいけないことが起きているそういう時代だからこそ、やさしくなくちゃいけないという。そんなメッセージを曲に託しているといえますね」
こうしたメッセージが、ドラマのテーマとピタリと合致したという。
「単なるタイアップではなく、ドラマの内容と斉藤さん自身が書きたいものが同じだったということでしょう。それが相乗効果を生んだ。うまく化学反応を起こしている。いまの状況を打破して、家族の絆を深めて“再生”していくには、強くなくてはいけないし、優しくなくてはいけない。ドラマのテーマもそこにあるわけですよね。歌詞の中には、主人公の三田とだぶるような内容もあります。
それにドラマのエンディングで流れるギターイントロは、ドラマのシーンが続いているなかで流れるので心がざわつきますよね。ドラマの展開が今後、どうなるのか…という緊張感を持たせている。曲のタイトル“やさしくなりたい”というのはどんな意味をもつのか?と視聴者に考えさせてもいます。抜群の演出効果を生んでいるといえます」(富澤さん)