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清武の乱 巨人軍ばかりか読売新聞社との全面戦争へ発展か

元巨人軍球団代表・清武英利氏による「清武の乱」は、「ただの内輪もめ」「内紛」ともいわれた。しかし25日の会見で、物置から出たボヤが母屋に延焼する気配を見せてきた。清武氏の元には、巨人軍だけでなく読売新聞社内からも声援が届いているという。会見に出席した、ノンフィクション・ライターの神田憲行氏が報告する。

* * *
元巨人軍球団代表・清武英利氏の記者会見に出席した。記者会見場でその前に会見をしていたのがオリンパス元社長のウッドワード氏だったせいもあり、200~300人入りそうな会見場は立ち見が出るほどの盛況ぶり。

ムービーカメラだけでも10台は並んだ。生中継をしたニコ生スタッフによると、視聴者数は平日午後3時からの時間にも関わらず、六万人に及んだという。清武氏の最初の会見が三万人だったので、人々の関心が雪だるま式に膨らんでいっていることがわかる。

私が注目したのは、清武氏が11日の会見直前に渡辺恒雄氏から「君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争になるんだ」と「恫喝」があったことを明かした点である。

事実とすれば不思議な話である。清武氏が告発したのは渡辺氏個人であり、読売新聞社ではない。それがなぜ同新聞社との戦争に発展するのか。

この点を捉えて外国人ジャーナリストから、「つまり渡辺氏は巨人軍だけではなくて、読売新聞社も私物化しているのではないか」という質問があった。

これに対して清武氏は、「それもあるかもしれませんが、いまはまず巨人軍からの問題提起をしたい」と、いささか奥歯にものがはさまったような回答をした。

だが、同席していた吉峯弁護士が「はっきり言って、この分野で横暴な人が違う分野で横暴でないという人は、いないのではないか」とユーモアを交えつつ、こう直言した。

「(渡辺氏の読売新聞私物化という)危惧は誰しも持つでしょう。読売新聞の記事の品質が心配です」

これに対して巨人軍の桃井球団社長は清武会見後に発表した談話の中で

〈同席した吉峯弁護士が、清武問題と関連づけて、「読売新聞の記事の品質が心配だ」と発言したのは、取材・報道活動に真剣に携わっている記者、論説委 員、編集委員らに対する根拠のない誹謗(ひぼう)であり、清武問題と関係のない読売新聞の信用を傷つけるもので看過しがたい。発言の撤回を求めたい。〉

と、強く反発した。

こんな言い方をしては何ですが、面白くなってきました(笑)。

「清武の乱」は「ただの内輪もめ」「内紛」ともいわれた。しかし物置から出たボヤが母屋に延焼する気配を見せてきたのである。清武氏の元には、巨人軍だけでなく読売新聞社内からも声援が届いているという。裁判になれば、そうした「勢力」との連動もあり得るだろう。

会見場は海外のジャーナリストが中心に利用する有楽町の「日本外国特派員協会」だった。そこに設定した理由を清武氏は、「ヤンキースの友人たちからも心配した連絡をもらっている。海外のメディアを通じて、アメリカの球団の人とたちにもこの問題を知って欲しいから」と説明した。

我々も「清武の乱」を「内輪もめ」と矮小化せず、大きく捉える必要があるかもしれない。


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