10月3日にスタートしたNHK連続テレビ小説『カーネーション』。初回視聴率は16.1%だったが、回を追うごとに数字を上げ、11月12日放送回では19.7%を記録した。
大正末期を舞台に、世間の洋装化の波に苦心する小さな呉服店の物語。ドラマは尾野真千子(30)演じるヒロインを中心に描かれているのだが、画面を見ているとついつい目を奪われてしまうのが母の千代を演じる麻生祐未(47)だ。
色あせたかっぽう着姿で料理をする彼女。小林薫(60)演じる善作が、糸子ら子供たちにつらくあたれば、眉を八の字にして、おでこにしわを寄せる。夫が苛立てば、口を半開きにして「ほぇ~」っと聞いてるのか聞いてないのかわからないリアクション…。
「天然のように見えて、善作が陰で泣いているときはちゃんと慰めてフォローし、糸子の夢もしっかり応援する。きつく叱ることはなくても、必要なことはきっちり話し、ほめるべきところはほめる。いかにもそういう“昭和の母”ですよね」(40代女性)
かつて女子大生出身のグラドルとしてブレイクした麻生も、いまではドラマに欠かせない“母”の代名詞ともなっている。2006年の『白夜行』では、元ホステスで慢性アルコール中毒の母。そして2009年、2011年の『JIN―仁―』(ともにTBS系)では頑固で厳しい母を熱演した。かと思えば、携帯電話向けのポータルサイト『モバゲー』のCMでは、シリアスな不倫カップルをしっとりと演じ切ったりもする。
この幅広い演技力を、コラムニストの今井舞さんも高く評価する。
「いまは“美魔女ブーム”で“全然年相応に見えない!”というのが流行っているけど、不自然じゃないですか。でも、麻生さんは良い感じに年を取ってる。“昭和の母”役もそんな彼女だからこそ、違和感がないんでしょうね」
※女性セブン2011年12月8日号