震災、不況、円高閉塞感が漂う時代である。「仕事が思い通りにいかない」「壁にぶちあたって前に進めない」などと思い悩んでいる人は少なくないはずだ。そんな時こそ、幾多の困難を乗り越えてきた、京セラ創業者の稲盛和夫・名誉会長の声に耳を傾けてはどうか。ここではそんな彼の名言の一部を紹介する。
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不運、不遇を嘆く人は、京セラ創業者の稲盛和夫・名誉会長の言葉を噛みしめたい。稲盛氏は大学を卒業して松風工業という会社に就職した。ところが同社は給料も出せないほどのボロ会社。将来を悲観した同期入社組は次々と退社してしまう。一人ポツンと取り残された稲盛氏は「不平不満ばかり言っていてもしかたがない」とファインセラミックスの研究に没頭、そうした努力が4年後の京セラ創業に結実する。以下は稲盛氏の述懐である。
〈苦しいことやつらいことがあれば、その状況から脱出したい、と思うのが人間です。でも、現実には逃げようと思っても逃げられないことのほうが多いのです。不運であろうとも、不遇であろうとも、それに耐えて明るく前向きに努力を続けるのが人生です〉
※SAPIO2011年12月7日号