11月16日放送の第6話で今クール最高の高視聴率23.4%を叩き出した大ヒットドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)で、誰もが「あ~あ…」って思ってしまうダメ男・阿須田恵一を演じているのが長谷川博己(34)だ。
長谷川が役者の世界に入ったのは、2001年のこと。大手劇団の研究所に入所し、2002年に『BENT』で初舞台を踏んだ。その後、2006年4月に正式な劇団員となるが、わずか8か月後には、自由な活動を求めて劇団を離れるのだった。
役者として少しずつ仕事がはいるようになってきた長谷川だったが、その生活はかなり貧しいものだった。当時を知る劇団関係者はこう話す。
「劇団員時代は家賃7万円のボロアパートに暮らしていて、“ダニが出てたまらないんですよ”なんて嘆いていました。それにご飯も食べられないほどで、役者になる前に皿洗いをしていたイタリア料理店に泣きついて、出世払いで毎日ご飯を食べさせてもらっていたみたいですよ」
実はこのタダ飯、長谷川の役者に懸ける強い思いが背景にある。彼はかつてあるインタビューでこう語っている。
<役者こそ最高のサービス業だから、それ以外のサービスはしない、何がなんでも役者を職業にする! と決めたんです。大変でしたが、たくさんの方の力を借りて、今があると思います>
超極貧生活を送りながらも、俳優として有名になることは、たとえ他人の力を借りてでも諦めなかったのだ。
さらに、蜷川氏演出の舞台『カリギュラ』で共演した小栗旬(28)から受けた影響も大きかった。
「小栗くんと出会って、長谷川くんは“価値観が変わった”なんて話してましたよ。年下だけど、舞台だけじゃなく、テレビ、映画でバンバン活躍している彼から刺激を受けて、“自分も舞台だけにこだわるんじゃなくて、発想を柔軟にして新たな分野に出ていかなきゃ”って決意した様子でしたね。小栗くんとは、彼の家に遊びに行ったりと、いまでも交流を続けているそうです」(舞台関係者)
小栗との出会いから、しばらくして初めてのテレビドラマ『四つの嘘』(テレビ朝日系)に出演。そして昨年、『セカンドバージン』(NHK)で一躍ブレイクを果たすのだった。
人気俳優の仲間入りを果たした長谷川だが、素顔は全然変わっていないという。住まいこそ、“ダニアパート”から脱出したものの、いまでも家賃10万円ほどのワンルームマンション住まいだという。下積み時代からの長谷川を知る友人が語る。
「ブレイクしたといっても日が浅いですから、すぐに高額ギャラになるというわけではないみたいですね。それでも、一緒に飲んだときに、“ぼくもちょっとはテレビに出て有名になったから、声をかけられるかな?”なんて嬉しそうに話してました。
でも、その日、お店で誰にも声をかけられることもなくて…(苦笑)。それもそのはずで、上下ジャージーに、黒縁メガネに髪の毛はオールバックというテレビとは全然違う雰囲気でしたからね(笑い)。彼は普段はいつもジャージーですから、誰も気がつきませんよ…」
ドラマではスーツでバシッと決めている長谷川だが、普段着は下積み時代と変わらぬジャージーだとは…ビックリだけど、見てミタいものです。
※女性セブン2011年12月8日号