企業の規模や業績ばかりが注目されたのは過去のこと。いまや、企業戦略のひとつとして社食が機能する時代だ。そこで、『体脂肪計タニタの社員食堂』シリーズが累計420万部のベストセラーになっている計測機器メーカー・タニタの社員食堂に潜入を試みた。
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社員食堂のヘルシーレシピ本が売れに売れたタニタ。その「ヘルシーレストラン」は意外にこぢんまりとしている。
「調理担当は3人。無駄が一切出ないように、日替わりの毎日1メニュー予約制。60~70人が食べます」(広報・横田洋子さん)
タニタらしいのは、炊飯ジャーの脇に置かれたデジタルクッキングスケールだ。茶碗を置き、表示を0にしてから、ご飯をよそう。脇には100グラム=160キロカロリー、150グラム=240キロカロリーと書かれている。記者も100グラムのご飯を食べてみたが、かなりの小盛りにびっくりした。計算をすることで食べ過ぎを防ぐという、計測機器メーカーならではの取り組みだ。
さらに広報の横田さんはペンダントのように下げている「カロリズム」(活動量計)を見せてくれた。
「上半身につけておけば、その人の動きをセンサーで感知、カロリーの消費量がわかるんです」
健康を維持するために「計測」は重大なポイントだ。
※週刊ポスト2011年12月9日号