夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、衣料メーカー勤務のご主人(46歳)。奥様(47歳)がダイエット挑戦中です。
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「3食の摂取量を朝食4割、昼食4割、夕食2割にして、夜7時以降は食べない。ダイエットにはこれが一番らしいの」と実践し始めた女房。夜、テレビを見ながら、晩酌をする僕をうらめしそうな表情で見つめ、「ガマン、ガマン」と自分に気合いを入れています。でも、ある出来事を機に寝室を別々にすることに。なぜかというと……。
夜中、激痛で飛び起きると、なんと、女房が僕の左腕にかぶりついていたんです。「ごめん! ボンレスハムをかじる夢を見たの」って、これじゃ、夜もおちおち眠れないので、次の日から女房は玄関側の部屋で寝ることにしました。
それから2日後、夜中、トイレに起きると、台所で何やら物音が! 泥棒!? 護身用に居間のテーブルにあるクリスタル製置き時計を手に取り、そっと台所に近づくと、振り返ったのは、冷蔵庫の中から取り出したボンレスハムを口にくわえた女房の姿!
「だってェ、お腹が空いてガマンできなかったんだもん!」という姿を見て、情けないやら、残念やら……。
僕の左腕にかぶりついたぐらいだから、よっぽどボンレスハムが食べたかったんだろうけど、どうせなら実物はガマンして、僕の腕よりずっとリアリティのある、自分の太モモにかぶりつけばよかったのに!
※週刊ポスト2011年12月9日号