カネのあるところにオンナが群がるのは万国共通だが、中国はそのスケールが違う。富裕層が愛人を持つのは当たり前で、その数は、全国で数百万人にも上るという。その実態とはどんなものなのか。『チャイニーズ・レポート 中国の愛人たち』(宝島SUGOI文庫)の著者で、現代中国の性事情に詳しい邱海涛氏が報告する。
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中国では、愛人「アルナイ」の存在が中国のGDPを押し上げる要因のひとつになってきた。
アルナイを囲うには高級マンションが必要であり、その他高級車、高級化粧品、ブランド物の服などを買い与え、高級レストランで食事をさせ、時には海外旅行に連れて行かなければならない。
アルナイ囲いが不動産価格の高騰を招いてきたのは間違いないし、アルナイが好む「アルナイ車」という言葉があるように、自動車市場の拡大にも二?は貢献してきた。
ちなみに、フォルクスワーゲン・ビートル、ヒュンダイ・ジェネシスクーペ、ホンダ・アコードがアルナイ車ベスト3である。化粧品市場の規模も、1987年にはわずか18億元だったが、今は900億元だ。
「アルナイ1人が消費する額は一般の中国人女性50人分に相当する」「北京、上海、広州など沿岸部の大都市では二?が人口の5%を占め、彼女たちの消費額はその都市の総消費額の20%を占めている」という説もある。
去年11月12付のイギリス・サンデータイムズ紙も、「中国の高級品市場はアルナイに金をつぎ込む富裕層の男性によって牽引されている」という、世界最大の金融グループHSBCのエコノミストによる分析結果を掲載した。
※SAPIO2011年12月7日号