加齢に伴う下半身の衰えは全世界男子の共通懸案事項。日本にも古来より漢方の影響を受けた回春術が存在したが、海外ではどんな術が使われてきたのだろうか?
西欧諸国では、18世紀あたりまで「ED=性欲の減退」が原因と考えられていた。いきおい、精力回復のための絶倫食が珍重される。
生ニンニク、フカヒレ、牡蠣などは現代でも強壮イメージのある食品だ。アーティチョークにショウガ、コショウ、サフランなどハーブやスパイスも回春効果が謳われている。
一般食材を使う媚薬としては、レモン汁にタマネギ4分の1を加えたドリンクがスペインの定番になっていた。千切りのニンジンとコップ1杯の牛乳を混ぜ温め、1回100ccを1日に3度飲むのも、欧州では有名な回春剤だ。ハチミツとクルミを混ぜ、食後30分以内に服用し、必ずその後でミルクを飲むというのもある。真偽と効果はいかに。
南アフリカのズールー族は、ウバンガララという植物を噛んだり、茹でて食す。これが夜の一戦には極めてよく効くそうだ。同様に、西アフリカ地方特産のヨヒンベという植物から精製するヨヒンビンも有名だ。
媚薬にはゲテモノが多い。イグアナのスープやスペインバエ、ハンミョウの粉末、サイの角、コブラにサソリ、コウモリ……。加えてオットセイ、トラ、ヤギ、ウシなど動物のペニスや睾丸は王道中の王道。トカゲの尿も珍重された。
薬と並行して秘儀も盛んに行なわれた。ヨーロッパでは、美顔パックよろしく泥をペニスに塗りたくるのがよく知られた方法だ。しかし、そんなことをしてアソコがかぶれたりしないのか。
チベットでは、低い声で話すことが精力増強に繋がると信じられている。低音の振動が喉を刺激し、喉にあるチャクラと密接な関係の生殖腺のチャクラを活性化させるのだ。
※週刊ポスト2011年12月9日号