11月27日投開票の府知事と市長の大阪W選挙“大阪秋の陣”。府知事選では維新の会幹事長の松井一郎氏(47)が、市長選では前府知事で維新の会会長の橋下徹氏(42)がそれぞれ圧勝。歴史的勝利を収め、“維新”への第一歩を踏み出した。
「民意を無視する職員は大阪市役所から去ってもらいます」
「既存の政党が政治理念を完全に放棄してしまっているということが有権者に伝わっている」
3時間以上に及んだ当選後の記者会見で、橋下氏は終始厳しい顔のまま辛らつな言葉を並べた。それは、相変わらずの“橋下節“だったが、家族について話が及ぶと、それまでの険しい表情が一転、柔和な表情になり、白い歯をのぞかせた。
「妻が、何かおめでとうとかよかったねとかいってくれると思ってたら、誰かと携帯でしゃべってましたね。だから(当選後はまだ)何もしゃべってません(笑)」
それまで緊張した空気に包まれた会場に笑いが巻き起こった。そして、「自宅に帰ったら、家族とどんな話をしますか?」という質問には一転、神妙な面持ちで、こう答えた。
「これから妻だけでなく子供にもいろいろ苦労をかけると思います。知事やってる間も子供に対しての殺人予告とかも絶えなかったですし、(中略)長女なんかも受験を控えている中で選挙のことを気にしていろいろいってくれたりと、家族には感謝ですね」
既成政党による政治を繰り返し批判してきた橋下氏に対し、国会では対立しているはずのその既成政党がタッグを組んで対立。民主党、自民党に加え共産党までもが、橋下氏の対立候補、平松前市長を支持。3党は後援組織をフル動員して橋下氏当選阻止に動いた。
「自民党や民主党ほか既成政党を支援する業界は、大阪市が発注する公共事業などで長く稼いできた。予算削減を叫ぶ橋下氏が市長になって公共事業が削減されれば、それら業界もまた困ってしまうのです」(全国紙記者)
それだけに橋下氏に対する水面下のプレッシャーもまた、激しかったという。
「橋下氏が明かした、家族に対する殺害予告や脅迫状も、そうした状況を背景に、立候補の取りやめを迫る内容だったのです」(同記者)
※女性セブン2011年12月15日号