今が買いの株は何か。過去の実績ではなく、今期(12年3月期)の業績予想が会社側が発表した見通しよりもさらに上振れ(上方修正)する期待が高まる銘柄を見てみよう。2012年3月期決算銘柄のうち、この中間期(9月末)時点で通期の経常利益予想の8割をすでに達成している企業を、前年同期の経常利益と比べて成長率の高い順に並べた。
1位は日成ビルド工業で514.6%、2位の兼松日産農林は270.3%、3位のワコールホールディングスは146.0%、4位はダイコク電機の124.7%、5位は東都水産の50.1%となった。
ランキングからは、ある共通点が浮かび上がってくる。算出してくれた投資情報提供会社「フィスコ」株式アナリストの小中優氏の分析。
「経常利益成長率を見ると、1位の日成ビルド工業は514.6%、2位の兼松日産農林も270.3%と飛び抜けて高いが、これらはまさに震災復興の恩恵を受けている銘柄といえます。さらに、東北沿岸の水揚げ量の減少で単価が上がって好影響を受けている東都水産や、原発関連のメンテナンスを行なう東京エネシスなども震災復興関連銘柄です」
確かに業種別に見ると、建設業界がずらりと顔を揃える。大震災や原発事故が想定外の復興需要をもたらし、業績を押し上げているというのだ。
※週刊ポスト2011年12月16日号