“草食系”なんて言葉が流行るのももっともな調査結果が発表された。18~34才の男女へのアンケートでわかったのは、恋愛や結婚に対してあまりに消極的になっている現実。どうしてそうした考えなのか。
国立社会保障・人口問題研究所が18~34才の独身男女を対象に行った調査(11月発表)によれば、「男子の61.4%、女子の49.5%が恋人なし」なのだという。
「恋人がいない男女」の割合はもちろん、過去最高。さらに男子の27.6%、女子の22.6%が「異性との交際を望んでいない」と答えている。
都内在住の男性会社員Aさん(32)はこれまで女性と交際した経験がまったくない。
「女の子を好きになったことはあるけど、“つきあって”とアプローチしたことはありません。告白して関係がややこしくなったら嫌だし、つきあうとなると相手に束縛されて自分の時間が持てなくなる。そういうことを考えると、面倒だなって思っちゃうんですよね」(Aさん)
異性との時間よりも自分の時間を大切にしたい。男性がそんな気持ちを抱くようになったのは、「男性が“OLの楽しみ”に目覚めたせい」だというのは、『59番目のプロポーズ キャリアとオタクの恋』(美術出版社)などの著書があり、若者の恋愛事情に詳しい女性コラムニスト・アルテイシアさん。
「かつて女性がバブル時代にゴルフなどオジサンの遊びに目覚めたのと同じで、男性たちのOL化が進んでいます。料理を作ったり、家飲みをする楽しみを知ってしまった。それに、以前は男性同士で映画館なんかに行くと“気持ち悪い”といわれましたが、仲のよい友達同士でつるむのはいまや当たり前。世間の偏見もなくなり、同性同士の心地よさに気づいてしまったんです」(アルテイシアさん)
また、最近はAさんのように、「仲のよい異性の友達がいても、あえて恋人になろうとしない若者が増えている」と指摘するのは、婚活ブームの火付け役となった『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などの著書があるコラムニストの白河桃子さん。
「告白をしない最たる理由は、自分が傷つきたくないから。“告白しても断られたらどうしよう”という不安から“受け身”になっている男性が多い。女性はもともと恋愛に対しては受け身ですから、お互い“待ち受け男子”と“待ち受け女子”状態なわけです。“相手からアプローチしてほしい”という両者の要求がバッティングして、恋愛の始まりようがないんです」
もはや、昭和の男子にあった“当たって砕けろ”の精神は皆無に等しいのか。
「男女ともに臆病になっているので、婚活ブームの余波で出会いの場があったとしても、煮え切らない。もっと相手が熱心に自分を好きだといってくれたらつきあうこともやぶさかではない、という“やぶさか症候群”に陥っているんです」(白河さん)
※女性セブン2011年12月22日号