毎年、国民の5~15%がかかるといわれるインフルエンザ。本格的な流行シーズンを前に、今シーズンは既に厚労省にインフルエンザによる学級閉鎖が68件、学校閉鎖も28件報告されている(11月27日現在)。
今年の傾向について、杏林大学名誉教授の石川恭三さんはこう指摘する。
「現時点ではウイルスの大きな変異などは確認されていないので、昨年同様、今年もすでに流行が始まっている、ともにA型株のH1N1(2009)とH3N2(香港型)、さらにB型の3種類の流行が予測されます」
このうちH1N1(2009)は、2009年に「豚インフル」と呼ばれて恐れられ、少なくとも1万8000人の死者を出したウイルスのことだ。
世界中で大騒ぎとなった“あの”インフルエンザと同じ。そう聞くとつい不安になってしまうが、廣津医院・医学博士の廣津伸夫さんは、
「当時は“新型”として恐れられたH1N1(2009)ですが、いまは日本人の多くがある程度の免疫をもっていると考えられ、爆発的な流行を心配する必要はないはずです」
その上で、こう続けた。
「A型のH1N1(2009)とH3N2(香港型)は12月中ごろから本格的な流行が始まり、ピークは2月上旬ころになるはずです。それを少し過ぎた2月中旬くらいから、B型が流行し始めると予測しています」
廣津さんは、予防接種についてはこう語る。
「流行するウイルスの型が去年と同じであると考えられているため、今年のワクチンも去年のものと同じ(H1型、H3型、B型の混合ワクチン)です。しかし、予防接種の効果が持続するのは5~6か月程度。ですから昨シーズンに予防接種を受けたという人も、今年の予防接種を受けたほうがいいんです」
※女性セブン2011年12月22日号