相次ぐ失言などで一川保夫・防衛相が問責決議された例を見るまでもなく、民主党政権では失言、妄言、暴言が繰り返された。その発言を振り返ってみよう。
左翼活動家だった仙谷由人・政調会長代行は「税と社会保障の一体改革」をまとめ上げて年金カットに道筋をつけた。いまや時代遅れの「ウーマンリブ」を推し進めてきた小宮山洋子・厚労相が、それを内閣で具体化しようとしている。
このリベラル派を代表する2人に、実は「弱者に優しい」とか「セーフティネット」といった発想がまるでないことは、彼らの行動が雄弁に物語る。その心根は発言にも現われる。
「年金支給開始年齢を65歳に引き上げるのが遅かった」(小宮山厚労相・10月14日の記者会見)
定年延長は進まず、60歳以上の再就職がどれだけ厳しいか、「労働大臣」でもある小宮山氏が知らないはずはない。まして、政府は65歳支給を決めた際に、見返りとして「国庫負担を2分の1に引き上げる」と約束したはずだが、その約束は反故にされたままだ。
これぞ、国民の痛みがわからない不感症政治家の典型である。
※週刊ポスト2011年12月23日号