日本初のA4判株式経済専門電子新聞「カブケイ」編集局長・冨田康夫氏。30年以上にわたって証券業界を取材してきた同氏が、いま注目している銘柄は、「エステー」(東証1部・4951)だという。
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福島原発事故の余波は、今も各地で放射線量の高い「ホットスポット」の存在が取り沙汰されるなど、子供を持つ家庭に不安を与え続けている。その中で、日用品大手のエステーが低価格の家庭用放射線測定器「エアカウンター」を発売し、株式市場でも買い材料視されている。
放射線測定器は、2万円程度の海外製品も販売されているが、高性能タイプでは10万~20万円というのが一般的だ。それに対して、同社製品は、なんと9800円。価格が安いとはいえ、測定精度は従来品と遜色がないという。
福島県のドラッグストア、ホームセンターを中心に、10月に優先発売した初回出荷分1万台は即日完売。2011年内の販売計画5万台は楽にクリアできそうだ。2012年春には、さらに高性能、低価格(7900円)となる「エアカウンターS(仮称)」の発売計画も明らかにしており、予想をはるかに超える大型商品に成長する可能性も想定される。
このところ利益成長が低迷気味の同社の株価にとっても、大きな刺激材料になるのは間違いないだろう。
※マネーポスト2012年新春号