夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、OA機器メーカー勤務のご主人(48歳)。奥様(50歳)とシンガポールに旅行しました。
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マーライオン像を見ていると、「こんにちは」と話しかけてきたのは金髪の女性。アメリカ人で名前はミッシェル。日本の大学に留学していたそうです。それを聞いた女房は「アラ~、うちの娘もアメリカで1年間、ホームレスをしてたんですよ」お前、それをいうならホームステイだろ!
僕が「日本の食べ物は何が好きですか?」と聞き、ミッシェルが「シャブシャブです」と答えると、女房は「シャブが好きなんだ」って、紛らわしいだろ、きちんと「シャブシャブ」といえ!
苦笑いのミッシェルが僕に「シンガポールは何日間?」と聞いてきたので、滞在日数を答えようとすると、横から女房が「スリー泊フォーデイズです!」って、あのなあ、英語で答えるなら、数字だけでなく、「泊」も英語にしろよ!
極めつけはミッシェルが「私、日本のダウンタウンが大好き」といったとき。僕が「浅草とか下町は風情がありますもんね」と喋ろうとしたら、またもや女房が「好きなのは松ちゃんですか? オア浜ちゃん?」それは漫才コンビのダウンタウンだろ!
ついには、ミッシェルが「シャラップ!」というと、女房が納得顔で「へぇ~、SMAPも大好きなんだ」って、お前の耳はどうなってんだよ!
※週刊ポスト2011年12月23日号