現在の日本の株式市場は、もはや外国人投資家の動向次第といえる。11月にはオリンパスの巨額損失隠しが発覚し、第2のオリンパスがでるかもしれないとの予想から多くの外国人投資家が精密機器関連の銘柄を売った。今後、外国人投資家はどう動くのか、海外マネーの動向に詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズの宮島秀直氏が解説する。
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オリンパス事件では精密機器関連銘柄を売った外国人投資家だが、彼らが注目する別のポイントを紹介したい。中国のインフレの沈静化とともに、外国人投資家の間には、同国の景気回復期待が強まっている。そこで、医療機器メーカー、つまり「ヘルスケアテクノロジー関連銘柄」に再び関心が集まっているのだ。
中国では、2016年から都市部で高齢化が始まると予想されている。一人っ子政策の影響で、いったん高齢化が始まれば、そのスピードは日本を上回ると言われる。中国の医療関連市場は膨大であり、高齢化が社会問題となれば、日本のヘルスケアテクノロジー企業は、大きな恩恵を受けるに違いない――という読みだ。
日本の精密機械メーカーには、医療機器を手掛ける企業も多く、高い技術力を持っている。その中から、オリンパス問題で割安となった銘柄を探せば、反動高だけでなく、中国関連銘柄として、息の長い上昇が期待できるというわけだ。具体的には、シスメックス、堀場製作所、日本光電、島津製作所といった名前が挙がっている。
しばらくは、日経225やTOPIXといったインデックス投資は避けて、こうした個別株を物色する方が賢明だろう
※マネーポスト2012年新春号