国内

池田大作氏と握手した作家「がんもどきみたいな感触だった」

1930年に前身の教育団体、創価教育学会が誕生してから81年、戦後高度成長と時を同じくして爆発的に増やした信者数は、1000万人以上ともいわれる。創価学会という特異な宗教団体と池田大作というカリスマ指導者に迫った週刊ポストの連載『化城の人』。

ノンフィクション作家の佐野眞一氏は1985年8月18日、宇都宮市郊外で開催された「第一回創価学会栃木青年平和文化祭」で、池田大作氏と面会したことがあるという。佐野氏は、その面会の様子をこう振り返る。(文中敬称略)

* * *
メインの行事が始まる前、私はほんの短時間だけ池田に挨拶する機会を得た。当時、池田は五十七歳と脂の乗り切った年齢だった。目の前に現れた池田は身長百六十センチ足らずの男だった。でっぷり太った体型とも相まって、おそろしく小男に見えた。

ぬめりとした光沢のある背広と、高級そうなメタルフレームのメガネはそれなりの貫録を醸し出していた。だが、近寄りがたい威圧感や、生まれついて身に備わった品性のようなものはまったく感じられなかった。

脂性の池田が机に掌をつくと脂の跡がべったり残るというのは有名な話である。その手で握手されたとき、分厚いがんもどきをつかんだような不気味な感触があった。その感触こそ、池田がその手で何百万人という善男善女の手を握ってきた何よりの証かと思うと、複雑な気持ちになった。

池田はそのあと、よく通るバリトンで「私は愚か者ですが、会員のみなさんはみんな純真な人たちばかりです」と言った。このへりくだった物言いこそ、池田の権力の源泉である。池田がへりくだって見せれば見せるほど、会員たちの池田への盲目的信仰は高まる。

池田と信者は同じ信仰で分かちがたく結ばれている。だが、両者の間には恐ろしい隔たりがある。この矛盾に満ちた隔たりのなかで、池田がちょっとした声を会員にかけることによって、会員の池田信仰はいやましに高まっていく。

(連載『化城の人』第1回より抜粋)

※週刊ポスト2012年1月1・6日号

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン