浅田真央(21)が最愛の母・匡子さん(享年48)を肝硬変で亡くしてから、1週間が経った日。在学中の中京大学からほど近い真央のマンションには、生前、匡子さんが真央の送り迎えに使っていた白いワゴン車が止められていた。近所の住人はこう話してくれた。
「あの車はいまはお父さんが運転しているんです。真央ちゃんは実家で葬儀を済ませてからすぐにこっちのマンションに帰ってきて、大学のリンクで練習を再開させているみたい。試合まで時間がありませんからね。真央ちゃんが練習に集中できるようにって送り迎えをお父さんがしているようです」
2011年12月23日に開幕する全日本選手権に出場する真央。亡くなった匡子さんに代わって、彼女のサポートをしているのは、それまで決して表には出てこなかった父・敏治さん(53)だった。五輪出場を狙うフィギュアスケーターの場合、年間3000万円がかかるといわれるが、敏治さんは事業を立ち上げ、その多くを真央の活動費に充てた。
その一方で匡子さんの闘病も懸命に支えた。2011年にはいってからは入退院をくり返す妻につきそいながら、ふたりの娘を支えてきた。ほとんど睡眠時間もなく、10kgも激やせしてしまった敏治さん。そしていまは亡き妻の遺志を継ぐように、真央のスケートを全力でサポートしている。
そんな練習の合間に、真央は、しばしば母と訪れていた中京大近くのなじみの定食屋に、父を連れ立って訪れていた。
「たしか16日のお昼過ぎだったと思います。大好きないわしの煮付けの定食を頼んだそうです。そのいわしは、骨まで食べられるほどじっくり煮てあって、真央ちゃんの大好物なんです。お母さんは真央ちゃんがおいしそうに頬張るのを、いつもにこにこしながら見ていました」(常連客)
きっとこの日も、母は夫と娘のそばで笑って見守っていたことだろう。
※女性セブン2012年1月5・12日号