日本では、身の回りのあらゆるものに税金がかけられている。それは、楽しい家族旅行においても例外ではない。中央大学法科大学院教授の森信茂樹氏が語る。
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たとえば家族でドライブ旅行に出発した場合、家族が乗ったクルマには自動車税がかかっており、燃料であるガソリンを買えばそこにも税金がかかってきます。
次に日頃の疲れを癒そうと入った温泉には「入湯税」が必要です。温泉を出た後のお父さんの一服にも税金はかかります。いま増税が議論されている「たばこ税」です。たばこには消費税はもちろん、国税である「国たばこ税」のほか、地方税の「道府県たばこ税」「市町村たばこ税」、さらに「たばこ特別税」と、5種類もの税がかけられており、購入金額の実に6割以上が税金です。
宿でゆったり飲みたいビール。ここには「酒税」がかけられています。アルコール飲料は種類によって税率が異なります。低価格の第3のビールに高い税がかけられそうになった時には企業や国民から反発が起こりました。
旅行先でお土産を購入したら消費税がかかります。物やサービスを購入する時に負担する消費税は、日本では1989年に導入されました。税率は現在5%ですが、将来北欧並みに税率を上げるべきかどうかが議論されています。社会保障費の安定財源として使うためです。
このほかにも、身の回りには私たちがあまり意識せずに支払っている税金がたくさんあります。ちなみにこの家族が旅費8万円の旅行で支払った税金の総額は9180円になります。
※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より