ドライアイは、眼がショボショボ、ゴロゴロする、眼が疲れるなどの不快感や視機能異常が起こる。涙液の減少や蒸発で眼表面に傷が付くことで症状が出るが、最近、表面に傷がなくても症状が出るショートBUT(短い涙液層破壊時間)型のドライアイが急増している。パソコンやコンタクトレンズが主な原因と考えられ、新たにドライアイ用点眼剤も保険承認されている。
ドライアイはさまざまな要因によって起こる涙液や角結膜上皮の慢性疾患で、眼がショボショボしたり、ゴロゴロする、眼が疲れるなどの不快感、視力低下などの視機能異常がある。パソコンやコンタクトレンズの使用者増に伴い患者が増加しており、国内に800万人以上いると推計されている。
ドライアイは大別して2種類ある。一つが涙液の分泌量が減少する「涙液分泌減少型ドライアイ」で、加齢やストレス、降圧剤など薬剤の常用が原因で涙液が分泌されなくなり、眼の表面が乾燥し傷がつく。
もう一つが「涙液蒸発亢進型ドライアイ」で、主にパソコンやコンタクトレンズで涙液が蒸発することで症状が起こり、エアコンや冬場の乾燥でも患者が増える。近年問題になっているのがショートBUT(short Break Up Time)型ドライアイだ。ドライアイ研究会代表で、慶應義塾大学病院眼科の坪田一男教授に話を聞いた。
「予防と治療には、意識的に瞬きをしたり、夜寝る前に思い切り泣くのも効果的です。これだけで50%予防が可能というデータもあります。また、フレームに保湿用のカバーが付き、側面の水容器で保湿できるドライアイ用メガネの使用も効果があります。
昨年、涙の安定性を改善するジクアスという点眼液も保険承認され、治療薬として使用されています」
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2012年1月1・6日号