12枚、24枚、36枚――こう聞いて「あー。フィルムの枚数ね」と結びつける人は、今やほとんどいないのではないだろうか。かつては限りある枚数で、ベストショットを狙っていた写真。しかも現像が上がるまでは、どう撮れているか確認もできない――それがほんの15年くらい前までは、当たり前だった。
デジタルカメラの技術が進歩し、携帯電話の機能にも付加され、多くの人にとって写真撮影はずっと身近なものとなった。携帯電話のカメラ機能も画素数が高くなり、スマートフォン化が進んだ今、撮影した画像を簡単に加工するアプリなども多く、写真の楽しみ方も幅広くなっている。
トレンド総研が20代・30代のスマホユーザー男女500名(過去フィーチャーフォン使用者)に、「スマートフォンの写真機能」に関する調査を実施したところ、「スマートフォンに切り替えてから、写真を撮る頻度が増えたと思いますか?」という質問に、71%が「増えたと思う」と回答している。
また「スマートフォンで写真を撮るのはどのような時が多いですか?」という質問には、「旅行に行った時」(66%)、「日常で気になるものを見つけた時」(66%)、「美しい自然や風景を見た時」(55%)などが上位。「イベントや行事がある時」(46%)、「飲み会に参加した時」(35%)、「友人に会った時」(18%)と、ちょっとしたイベントでの撮影も、比較的多い結果に。
それを裏付けるように「イベントごとのある時期はスマートフォンで写真を撮る頻度が増えると思いますか?」という質問には78%、「忘年会、クリスマス、旅行、帰省などイベントが多い冬は、スマートフォンで写真を撮る頻度も増えると思いますか?」には76%が、「増えると思う」と答えている。
こうして多くの写真を撮影している一方で、「スマートフォンで撮影した写真を、必要な写真と不要な写真に整理できていますか?」という質問には、52%が「整理できていない」と回答。「現在使用しているスマートフォンの写真データを、必要なものと不要なものに整理するのは面倒だと感じますか?」には61%が、「撮り溜めた写真のバックアップや印刷のために、パソコンなどにいちいち保存し直すのは面倒だと感じますか?」には71%が、「面倒だと感じる」という。
「スマートフォンで撮った写真を簡単に把握・整理したり、WEB上に自動保存できるアプリがあればほしいと思いますか?」という質問に、約8割の79%の人が「思う」と回答。自動保存アプリへのニーズが、かなり高い結果となった。
フィルム時代は撮影後に現像に出すと、プリントと一緒に薄い簡易アルバムがよく付いてきたが、それがないとつい袋に入れっ放しにしてしまい、保存状態が悪いと写真がくっついてしまうことも。一方デジタル化が進んでも、「現在所有しているスマートフォンに保存されている写真の量を把握していますか?」には、約半数の46%が「把握していない」と回答している。昔も今も、溜まった写真の整理は、ハードルが高いようだ。
1年の終り、今年の振り返りを兼ねて、携帯電話やスマホ・デジカメの写真を整理したり、バックアップ保存して、来る年に撮影する写真に備える――というのも、ひとつの大掃除。ただし、こちらを先にやり始めると、あれこれ思い出に浸ってしまい、実際の掃除はなかなか進まないことになるので、ご注意を。