不況で給料も下がり、なんとかお金をセーブしたいこのシーズン。一体どのようにして貯めればいいのか? そんな疑問に応えてくれるのが、ファイナンシャル・プランナーの伊藤亮太氏である。伊藤氏は、デパートに行けば豪華絢爛なおせち料理の予約販売がおこなわれており、ネットでも手軽に高級おせちが購入できる時代に、「そんなおせち料理は無駄遣い」と異議を唱える。以下、伊藤氏の解説だ。
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某有名百貨店のホームページを見てみると、ピンからキリまでではあるものの、数万円~数十万円で販売されていた。明らかに高くないだろうか。ブランド好きで、おせちもブランドをという人は別かもしれないが、これこそ一般的には無駄遣いといえるだろう。
ネット上では、安いものであれば8千円前後から購入できるものもあるが、一段重である場合が圧倒的。果たしてこの価格は適切だろうか?原価を考えたことはあるだろうか?田作り、黒豆、かまぼこ、いか、海老、なます、栗きんとん、伊達巻・・・。二段重であっても、どう考えても1万円以上払わなくても購入できそうな気がしてならない。人件費や加工費、送料等がかかるといっても、数万円するのはおかしいと思わないか?箱代などにお金をかける必要性は全くないし、値段の高い食べ物といえば、数の子ぐらいではなかろうか。しかも数の子もスーパーで購入する500円分も入っていればいいところだろう。
ここで、サラリーマン家庭でも可能なおせち料理を安く済ます方法を考えてみた。はっきり言ってしまえば、買わない・作らない。これが最もお金のかからない方法である。しかしそれでは正月気分にもなれないという方は作ればよい。家族で作れば、「絆」も深まるしコストも安く抑えることができる。でも面倒だから作りたくないというあなたには、スーパーでおせち用のパックを購入し、ちょっと立派なお弁当箱に詰めるパターンをおススメする。さらにいえば、100円ショップなどで買えるものは100円で買うことも視野に入れるとおせちは相当安く作れる可能性がある。
例えば、こんな具合にである。筆者は、ローソンストア100のホームページを見て愕然とした。おせち用として下記の単品がすべて105円で発売されるとのこと。
【いつでも発売されているもの(全国発売)】
・黒豆 ・たまご焼き ・栗甘露煮 ・焼豚
【数量限定。一部店舗にて取り扱い】
・野菜のうま煮 ・里芋の煮っころがし ・わさび本漬
【12月26日(月)より発売】
・伊達巻 ・蒲鉾(紅・白) ・昆布巻さけ ・昆布巻にしん ・なます漬け
※なます漬けは東北・関東地区のみ販売とのこと
【12月28日(水)より発売】
・炸肉丸子(シャーロウワンズ)
なんと全部購入しても1470円(税込)である。人によっては好き嫌いもあるだろうし、地区によっては入れないものもあるであろうから、10品選んだとするとたったの1050円で一段重ができてしまう。これで足りなければ、あとはスーパーでパック入りのものを購入すればよい。3000円もあればおせち料理は簡単に作れてしまう時代なのだ。
有名料理店のおせち料理にお金をかけるぐらいならば、100円ショップをうまく活用したりスーパーでおせちパックを買うことで節約すべし。1年に1回しかないものの、場合によっては数万円節約できるかもしれない。その分、浮いたお金で旅行などに行った方が合理的だ。ただし、節約したお金をすべて使ってしまうのも問題。少しは蓄えて将来の備えにすべきであろう。
ファイナンシャル・プランナー 伊藤亮太
<プロフィール>
年間を通して平均約70件のマネー相談(家計簿診断、資産運用相談など)を行い、FP資格関連書籍六冊、証券外務員資格関連書籍一冊、金融入門一冊等、執筆も多数。大阪証券取引所、SBI証券、紀陽銀行等の金融機関、大東文化大、立教大学等で資産運用関連、金融業界動向の講義など多角的に活動中。2011年秋学期からは東洋大学経営学部会計ファイナンス学科非常勤講師も務める。
http://www.ryota-ito.jp/