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村西とおる 自殺志望から「ワタシは最高にツイている」で復活

村西とおるがサバイバル術伝授

混乱の2011年が終わろうとしている。果たして今年はどういう年で、どうやって来年以降前を向いて生きていけばよいのか。時代をサバイブする方法を聞くならこの人しかいない。波瀾万丈の人生を送り、今も業界にしぶとく生き残る伝説のAV王・村西とおる監督の登場だ!!(取材・構成=ノンフィクションライター神田憲行)

* * *

ここ数年、毎年自殺者が3万人を越えるというニュースに接するたびに、私ははらわたが煮えくりかえるのであります。なにが自殺することがあるのかと。

私は現在63歳ですが、かつて50億円の借金を抱え、ひどいときは毎月3000万円ずつ返しておりました。女房(元AV女優)としているところを無修正で流されたこともございます。

前科も七犯ございます。借金している相手から夜中にダムまで連れて行かれて、「人殺しするわけにはいかないから、ここから飛び降りて自殺してくれないか」と頼まれたこともございます。

どうやって切り抜けたか? そりゃあもう「返しますよ〜」という情熱のマシンガントークでございますよ(笑)。朝、家を出ようとしたら大家からためた家賃を払えと怒鳴り込まれ、女房が土下座して許してもらったこともございます。

マンションの全戸に「村西借金払え」と張り紙をされて、一軒ずつ頭を下げて回ったこともございます。住民からは「あんた、日本から出て行け」と言われたこともあります。

こんな私のところに、青い顔をした人がたまに人生相談に参ります。「借金の額はいくら?」「7000万円です」「女房のオ○マンコを世間の皆様にご紹介したことはございますか」「とんでもない」「前科はどのくらい?」「ありません」。

いったい、なんで死にたいのかと。ふざけるんじゃないですよ、と。そういうと皆さん、「ああそうか」と憑きものが落ちたような顔をして帰られる。

そりゃあ私だって一日100回ぐらい死にたい日もありました。でもあるときから私はこう考えることにしたんです。「過ぎ去ってしまえば、どれも良い想い出になる」と。

最近私が名刺に刷っているスローガンは「ワタシは最高にツイている」です。私たちはみな、何千億という精子の争いから勝って生まれてきました。その時点でもうツイているのです。人様から見れば私の人生は歯を食いしばって生きているような、凄惨な姿に見えるかもしれません。しかしそのおかげで、こうして話を聞きに来てくださる方もいる。

トラブルも借金も、もっと最低、最悪の事態があったかもしれない。いま生きていられるのは、最低・最悪の状態を回避できていた、ということなのです。ツイているではありませんか。

古代ギリシャの哲学者のエピクロスという人がこういった趣旨のことを言っています。「私たちに死はない。なぜなら自分たちの死を見た人はいないから。見たと言うことがなければ、無い同じことだ」。そう考えれば死を恐れることもない。

死にたくなったとき、私は愛する女房や子どものことをよく思い浮かべました。家族は極端なことを言えば泥棒をしてでも食わしていかなければいけない存在です。死んでいる場合ではありません。

死にたくなる状況とは、借金が出来たとか経済的な理由ではありません。孤独感があるからです。孤独だと感じるから、死にたくなるのです。

だったら、この私を思い浮かべてください! 「絶望だ、苦しい」という人はぜひ私のことを想い出し、「ああ、あの村西だってまだ生きているのだから」と前を向いて欲しいと思うのです。(談)

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