老後は好きな温泉に毎日浸かって、ゆったりと過ごしたい――。それはまさに日本人の夢だろう。全国の老人ホームをリサーチすると、少ないながらも天然温泉を堪能できる施設が存在した。露天風呂で雄大な自然を眺める、弱った足腰を湯治する、風呂後の一杯を楽しむ……そんな極上の老人ホームライフを紹介しよう。
【ザ・レジデンス芦屋スイートケア】
(兵庫県芦屋市/事業会社:シティインデックスホスピタリティ/5年総費用:2069万~3527万円)
「早朝6時から入浴でき、ミスト浴もある。大浴場の広い浴槽はゆったりとくつろげる」(推薦者の米沢なな子氏)。
ホームに併設しているアクア・テラス棟の1階に、天然温泉大浴場のほか、夜空の月を眺めながら入浴できる露天風呂も完備されている。ミストサウナもあり、男性だけではなく、美容促進を望む女性に好評を得ている。
【ブリスイン野田】
(千葉県野田市/事業会社:ユーフォリア/5年総費用:2402万~2762万円)
地下1300メートルから湧き出る温泉「長寿の湯」を使用した天然温泉露天風呂、大浴場のほか、入居者同士の憩いの場である足湯を利用できる。「温泉入浴指導員が天然温泉を利用した健康増進法をレクチャーし、入居者の介護予防や機能維持に努めている」(推薦者の武谷美奈子氏)。泉質は塩化物強塩温泉で、入浴後、肌に付いた塩が汗の蒸発を防ぐため、保温効果が高く、「熱の湯」ともいわれる。
【アレンジメントケア箱根仙石原】
(神奈川県足柄下郡箱根町/事業会社:日本ケアクオリティ/5年総費用:1457万~1627万円)
「箱根・大涌谷温泉から引いた源泉かけ流しの天然温泉が堪能できる。家族の宿泊施設も充実。老後は箱根で、と考える高齢者には絶好の老人ホーム」(推薦者の高室成幸氏)。年齢に勝つ、病気に勝つ、身体の障害に勝つと名づけられた大浴場「勝泉の湯」は、動脈硬化症などに効果があるとされる。車椅子や寝たきりの人が入浴できる特殊浴槽や、温泉が苦手な人のための一般浴室もある。
※週刊ポスト2012年1月1・6日号