現役を退いて数十年経つ今でも、野球への情熱は燃え上がるばかり。まだまだ若い者には任せられん! そんな球界の重鎮が日本のプロ野球にモノ申す。ここでは元巨人で現ワシントン・ナショナルズ監督のD.ジョンソン氏の主張を聞こう。
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WBCで連覇してからというもの、日本では「もはや日本野球は米国から学ぶべきものはない」という風潮があると聞くが、とんでもない話だ。
日本の野球は、私が巨人に在籍した時代(1975~1976年)から格段の進歩を遂げた。それでもパワーもスピードもMLBのレベルではない。WBCで米国が日本に負けたのは、米国代表が「代表」ではなかったからだ。サバシア(ヤンキース)、ハラデー(フィリーズ)ら、MLBを代表する投手に参加を断わられ、所属球団の圧力かどうかは知らないが、大会期間中に“体調不良”を訴えてリタイアする選手が続出した。米国は日本に負けたのではなく、WBCの運営方法に敗れたのだ。
来季は多くの日本人がMLBに来る。大半はWBCで活躍した選手だが、その点は勘違いしないでほしい。
これは私が巨人時代に成績を残せずに「ジョン損」と批判されたことの腹いせではない(笑い)。日本野球の経験は私の人生の財産だ。かつて「助っ人」として海を渡った私だからこそ、「日本人の“助っ人”よ、謙虚であれ」といいたい。
※週刊ポスト2012年1月1・6日号