語学をやるなら若いうちに始めたほうがいい、年を取ってからではとても習得できない…とよくいうが、どの年齢でも外国語の習得は充分に可能だと『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)でおなじみの脳科学者・澤口俊之氏はいう。以下は澤口氏の解説だ。
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日本でもっとも力を入れている外国語教育といえば、なんといっても「英語」。その教育方法は、読み書きが主です。英語教育は中学から始まり、高校、大学へと進みます(私の場合は大学院でも英語論文の読み書きをしていました)。
が、私自身、長い間英語教育を受けていても、実際にアメリカなどの英語圏で生活し始めると、最初は新聞や雑誌すら満足に読めず、会話など滅茶苦茶という状態でした。
学校教育で使われる英語のテキストには、正統的な英語が使われています。ところが現地の新聞や雑誌には、ジャーゴンと呼ばれる隠語が多用されているし、文法もくずされていることが少なくありません。だから最初は読めないし、理解できないのです。
ところが慣れてくると、実際に多用されている単語数は中学英語レベルであることがわかってきますし、前後の関係からジャーゴンも理解できるようになり、文法が崩れていても意味がわかる、つまり読めるようになってきます。
会話も、最初の1か月くらいは全くできない状態が普通ですが、それでも英語を耳にし続けていると、「霧が晴れる」という表現がピッタリなように、まずは相手のいっていることや、テレビなどから流れてくる言葉がわかるようになります。そうなると、自分が話すときに会話を真似できるようになります。会話で多用される英語も中学英語レベルですから、ここまでくれば普通に会話できるようになります。
そして実は、外国語会話の習得能力は15才を超えればどの年齢でもほぼ同じで、40才でも50才でも大差ありません。
つまり、どの年齢でも外国語の会話習得は充分に可能だということです。そしてその鍵こそ、脳の中の言語を司る領域「言語野」をいかに刺激するかにあるのです。
※女性セブン2012年1月5・12日号