2011年10月末に、1ドル=75円台まで急騰したドル円相場は、政府・日銀の巨額円売り介入後、78円前後で推移している。こうした状況で、FX(外国為替証拠金取引)にはどのようなスタンスで望むべきか、為替のスペシャリストで酒匂エフエックス・アドバイザリー代表の酒匂隆雄氏が解説する。
* * *
2012年にかけてFXの投資スタンスはどうあるべきか。
まず、米ドル/円については、1ドル=75~76円台は買ってもよいレベルであろう。ただし、ユーロ絡みのユーロ/米ドル、ユーロ/円については、イタリアの債務問題に好転の兆しが見えるまでは、手を出さない方が賢明か。
また、豪ドル、ニュージーランドドルと言った高金利通貨については、買いを検討してよい水準にきており、例えば、豪ドルの80円以下などは、しばらく持つつもりでいれば買えるのではないか。
2012年を通じての予想レンジは、米ドル/円で72円~88円、ユーロ/円は97円~112円、ユーロ/ドルで1.25~1.45ドルを考えている。
現在のような、天井や底近辺を狙ったトレードの場合は、レバレッジを低くすることが基本だ。円高が進んでも、耐えられるようにしておくべきである。特に、豪ドル、ニュージーランドドルといった高金利通貨を買うなら、ポートフォリオにおける資産配分と同様に考えるべきで、レバレッジは1倍にすべきだと思う。レバレッジをかけるのは、トレンドがはっきりしてきてからでも遅くはない。
※マネーポスト2012年新春号