報道だけでなくバラエティなどでも活躍する現代の女子アナたちは、「ニュースを読む」ことよりも、タレントとしての才覚が求められてきている。
元フジテレビアナウンサーで東京国際大学特命教授の露木茂氏がいう。
「読む技術が高かったかつての女子アナに対して、最近の女子アナは読む技術が総じて低い。その代わり、“会話の反射神経”は非常に重視されています。自分の感性でアドリブを交えて自由に語ることができる才能が求められているのです。我々が現役だった時代は、どうしてもテレビの前に立つときは構えてしまったものでした。しかし今の若い世代は、ずっと自然に素の自分をさらけ出すことができるように見えます」
露木氏が指摘したように、現代の人気アナは“素”を晒すのに長けたタイプが多い。古くは1990年代に「天然ボケキャラ」としてブレイクしたTBSの雨宮塔子が筆頭だが、後輩の青木裕子などもまさにそのタイプだろう。
NHKの有働由美子も、40歳を過ぎて憑きものが落ちたかのように、朝番組『あさイチ』で、セックスレスの事実など、様々な本音を暴露して人気を得ている。野際陽子ら女子アナ黎明期の時代には考えられないことだが、“ぶっちゃけキャラ”が現代のアナウンサーのトレンドなのだ。
※週刊ポスト2012年1月1・6日号