ノンフィクション界の巨人・佐野眞一氏が、ソフトバンク社長・孫正義氏を描く『あんぽん 孫正義伝』(小学館刊)が1月12日、発売となる。
佐野氏は<プロローグ>でこう書いている。
<孫はこの三十年あまり、ずっと現役の第一線でやってきた。情報通信革命のトップランナーとして走り続け、東日本大震災が起きた「三・一一」以降は原発に代わる自然再生エネルギーの旗頭として世間の注目を一身に集めている。
こんな男は例がない。というより、これは考えようによっては、驚くべきことである。 その三十年の間に、「ベンチャービジネスの旗手」という名をほしいままにしてきたリクルートの江副浩正が消え、やはり「ベンチャービジネス界の風雲児」ともてはやされたライブドアのホリエモン(堀江貴文)が消えた。
ところが孫だけは、江副や堀江と違ってなぜか「塀の内側」には落ちず、「ベンチャービジネスの旗手」という言い古された呼称を、いつも冠せられてきた。
このエネルギーは一体どこから来るのか。それは、孫正義にいつもまとわりついているいかがわしさは一体どこから来るのか、という疑問と同じ根っこから派生している。
誰でも感じているはずのそんないかがわしさの根源を探る。この評伝のテーマは、その一言に尽きる。>
佐野氏は「孫正義」の実像に、躊躇なく斬り込んでいく。