夢のマイホームにかかる税金はたくさんある。きちんとした知識を身につけることで、少しでも得をとりたい。税理士で不動産鑑定士の鵜野和夫氏が増改築についての特例を解説する。
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手に入れたマイホームで快適に暮らし続けるためには、リフォームが必要になることも多いでしょう。その場合、「耐震化」「バリアフリー化」「省エネ化」の3つに関する改修については、条件を満たせば、所得税と固定資産税で減税が受けられる特例があります。
所得税については、かかった費用の一部を所得税の課税対象額から控除します。
たとえば、耐震化の場合は、「住宅耐震改修に要した費用の額」または「住宅耐震改修に係る耐震工事の標準的な費用の額」のいずれか少ない金額の10%(最高20万円)をその年の所得税額から控除できます。
また、バリアフリー化や省エネ化の改修工事を含む増改築を行なった場合には、条件を満たせば、改修工事のために借りた住宅ローンの年末残高の一部(最大20万円)を5年間にわたって所得税額から控除できます。
固定資産税については、改修工事が完了してから3か月以内に市区町村に申告すれば、工事が終了した翌年度、または一定期間、2分の1または3分の1を減額されます。減税分を活用しながら、長く快適に住める家へ変えることができる制度です。
なお、所得税の控除を受けるためには次の条件を満たさなくてはなりません。
耐震化は、【1】自分が居住する家屋【2】1981年1月1日以前に建築され、現行耐震基準に適合していないもの【3】現行基準に適合させるための工事、の3条件すべてに当てはまる必要があります。
バリアフリー化は、50歳以上の高齢者、または高齢者と同居している人等が対象で、廊下の拡幅や浴室・便所の改装、手すりの設置、屋内の段差解消などの工事をした場合の特例です。
省エネ化は、窓や床、壁、天井の断熱工事などをした場合の特例となります。
※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より