2011年10月に1ドル=75円32銭という史上最高値を更新した日本円。だが、「この円高局面は、投資家にとっては絶好のチャンスだ」というのは、かつてFX(外国為替証拠金取引)で8億円を稼いだカリスマトレーダー・池辺雪子氏だ。以下、池辺氏が解説する。
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すでに2011年10月31日の為替介入時に円は天井をつけており、円安トレンドへの転換は始まっていると見ていいだろう。さらにそのトレンドは、2012年前半に予想される米QE3(量的金融緩和第3弾)の発表後から加速していく、と私は見ている。過去、ドル/円の高値・安値のサイクルは5年程度となっている。つまり、今はドル/円を大底で仕込める“5年に一度のチャンス”といっても過言ではない。
実際、過去のサイクルから分析する限り、一度トレンドが転換すると、最低でも20円程度は円安方向に動いている。今回もその通りであるならば、2~3年の間に1ドル=100円程度にはなるだろうし、それ以上の円安になることも十分考えられる。
こうしたチャンスを逃す手はない。FXで勝つための一番のコツは、大きなトレンドが生まれるとき、いかにその波に乗れるかどうか、だからだ。
もちろん、短期的には円高方向に動くことはあると思う。そうしたときこそ、逆に仕込みのチャンスと思ってもらいたい。日々チャートを見ながら、少しでも安く仕込んでいく。そうやって積み上げていったポジションが、数年後には大きな利益となって帰ってくるだろう。
私のセミナーなどでは、参加者の方々から、激しい為替市場の動きに直面して、どうトレードしてよいのかわからない、といった声をよく聞く。私も、相場の難しさをあらためて実感する日々だが、こういうときこそ人は成長するのだと思う。
相場が激動しているときほど、きちんとした予想を立てて相場に臨み、的中すればよし、外れたときは自分の予想のどこが間違っていたのかを検証する。いまは、ゲーム感覚で超短期売買のトレードをする人も多いが、私にいわせれば、それは、トレードの楽しみを自ら放棄しているようなもの。
ピンチこそ最大のチャンス。ぜひ、相場とともに、投資家として大きく成長して欲しい。
※マネーポスト2012年新春号